Books&Family

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家族、マネー、仕事・複業、それから本について書いていくよ!

娘が生まれた時の記録。

娘は取り上げられた後、身体を拭かれ脈拍などを確認されていた。

奥さんの方は出産に続き、胎盤の取り出しである。通常は500㌘位のところ、奥さんは1,000㌘とおよそ2倍だった。
それから縫合。
その間、奥さんは目を瞑って痛みに耐えていた。

縫合と並行して娘が連れてこられた。カンガルーケアだ。生まれたばかりの赤ちゃんをお母さんがしばらく抱くことで、愛着感情が養われたり、お母さんの持っている良い菌を赤ちゃんに移すことができるという。
奥さんは「あったかい…」と呟きながら穏やかに、生まれたばかりの娘の頭を撫でていた。
それから、3人での写真を撮っていただいた。

私も娘を抱いた。
不思議な気持ちだった。
というか、ぼうっとしてしまいよく記憶がない。

娘は51.5センチメートル、3,435㌘だった。脈拍が、通常150程度のところ、200以上あり、呼吸が荒く熱もあるとのことでNICUに連れられた。

奥さんは2時間安静にしなくてはならないとのことで、それから娘の状態について説明していただけるとのこと。
奥さんの入院については個室が空いておらず大部屋になるとのことだった。
大部屋では当然、私が泊まることは出来ない。帰るのは日付が変わる頃になると思われた。バスなどないが仕方ない。

また、奥さんは薬を常用していることもあり、完全にミルクで育てようと話していた。初乳のみあげようと考えていたが、NICUに入ったことから、当初から母乳を止める薬を飲むことにした。意外に奥さんは残念そうでもなかったので、少しほっとした。

飲み物を買ってくるために部屋を出た。自販機に行き戻ってくると先生たちが処置をしている。出産後の検査で出血が多く、確認したところ子宮に血が溜まっていたとのことだった。本人には痛みがあるものの、無事処置を終えてもらい良かった。

NICUに行くと娘は保育器の中にいた。
頻脈は収まったものの、熱があり呼吸が荒い状態は続いていた。また、炎症反応が出ているとのことで酸素吸入と点滴を受けていた。
状態は深刻ではなく、順調に回復すれば母親と一緒、5日後に退院できる可能性もあるという。
ただ沐浴やミルク授乳の開始は少し遅れるということだ。ともかく安心である。

娘をみると静かにしている。少しだけ目を開けた。黒い瞳だ。奥さんの目に似たような気がする。
若干むずかるように手を動かす。身体には酸素吸入や点滴などのため管が多くつながれている。かわいそうと思うが、安全だとも思った。とにかく無事なのが大事なのだ。

部屋に戻り、早速分娩室から大部屋に移動する。奥さんの入院準備はしてきたので、その荷物を移すのだ。
大部屋にはプリペイドカードでの課金式冷蔵庫があったのでカードを購入し、早速動かす。持っていた飲料やプリンなどを保管する。
書類などをまとめ、奥さんに別れを告げて帰宅だ。

病院を出るとあいにくの雨だった。時間は日付が変わった0:30過ぎ。駅までも家までも離れているが、当然バスはない。タクシーを呼ぶところだろうが、配車と割り増しで3,000円くらいになるだろう。すぐに、歩いて帰ることに決めた。
もしかしたら厳しいかも、と思ったが20分程度で雨はやみ、80分程度歩いて帰宅した。
高揚しているのか疲労は感じない。

これが娘の生まれた時の記録だ。